第26回日本自費出版文化賞表彰式
2023年11月11日 アルカディア市ヶ谷ホテル
ハンス・ブリンクマン講演会と祝賀会
2023年11月17日 オランダ大使公邸
ハンス・ブリンクマン著(溝口広美訳)『わたしと日本の七十年 オランダ人銀行家の回想記』が第26回日本自費出版文化賞エッセー部門賞を受賞したことを祝し、オランダ王国大使館でブリンクマンの講演会と祝賀会が開催されました。主催者はテオ・ペータス全権公使。
1950年(昭和25年)、オランダの国際銀行の新米バンカーとして初めて日本へ赴任してきたブリンクマンはわずか18歳の青年でした。生まれ育ったオランダとは全く異なる日本という国から多くのことを学ぼうと努めた感受性豊かなブリンクマンの回想記は、自身の成長物語であるとともに、敗戦と復興を成し遂げた成長の時代としての戦後昭和史として読むこともできましょう。
今回の講演では、自著について、また、日本が抱える根本的問題と脆弱さや、日本から学ぶべきことなどについてブリンクマンが語り、訳者の溝口広美からは受賞の選考理由が読み上げられました。その後、聴衆から活発な質問が次々と寄せられ、ブリンクマンの講演会は盛況の中、祝賀会へと引き継がれました。
藤野健一選考委員による選考理由(抜粋)
「500ページに及ぶ著述には我々の戦後の生活を克明に捉え外国人の視点で評価したり疑問を呈したり、感嘆したり、微細に記されている。外国人の手による日本論、日本文化論は数多あるが、共同生活者の立場からの指摘には傾聴すべきものがある。」