***2月***

2月1日 食品ロスを減らす方法

日本では食品に「賞味期限」もしくは「消費期限」のどちらか一方のみの表示が義務付けされている。消費者は当然ながらそうした期限に余裕のある食品を購入したがる。

このたび「ダイナミックプライシング」と呼ばれる、賞味期限を「A」「B」「C」で分類された価格に反映させる仕組みを考えている店がでてきた。たとえば、あと2日で賞味期限が過ぎる場合には10パーセントの値下げとし、翌日には20パーセントの値下げとする。

ダイナミックプライシングが食品ロスを大幅に減らすことを期待したい。日本では、2019年度の食品ロスは570万トン。これは全国民が毎日、茶わん1杯分の食料を捨てていることに等しい。

2月5日 インドネシアの遷都プロジェクト

インドネシアの首都ジャカルタ(人口1、056万人)は次第に人口過密になり、環境汚染も悪化し、地震の恐れや、地盤沈下が続いている。ジャカルタは世界でもっとも急速に沈む都市と考えられており、2050年までには都市の3分の1が水没すると予測されている。大規模な地下水のくみ上げが地盤沈下を引き起こしているといわれているが、同時に温暖化で海面が上昇しているのだ。

大気と水質はかなり汚染されており、洪水や河川氾濫は定期的に起こり、激しい交通渋滞による経済損失は年間45億ドルにも及ぶ。

かつてインドネシアはオランダ領東インドと呼ばれ1800年から1942年までオランダの植民地だった。1942年2月に日本軍が侵攻すると、1945年8月の降伏まで日本の支配下におかれた。1949年に完全に独立国となったインドネシアは1万7千以上の諸島からなる国ではあるが、人口2億7千万人の54パーセントが首都ジャカルタのあるジャワ島に住んでいる。

ジョコ・ウィドド大統領政権は、カリマンタン島の東カリマンタンの港湾都市バリクパパン(人口約70万人)に、新都市「ヌサンタラ」を建設することを決めた。「ヌサンタラ」とは古ジャワ語で「列島」という意味らしい。

新首都

大統領は1月に「新首都建設は、単なる政府機関の物理的な移転にとどまらない。真に目指すのはグローバルレベルで競争力のある、スマートな新都市の建設であり、インドネシアをグリーン経済、イノベーション、テクノロジーの国に変えるための新たな原動力を構築することだ」と述べた。

だが、懐疑派たちは、東カリマンタンの25万6千ヘクタールにおよぶ自然環境への影響、つまり、オラウータンやヒョウなどを含む動植物、水システムなどへの影響を懸念している。約150万人の公務員が(2045年までに)新首都へ移転することになっており、2024年には、まず8千人が移る予定だ。それまでに、5万6180ヘクタールの土地が開拓され、大統領官邸や国会ほか政府機関、首都と東カリマンタンの各都市を結ぶ道路が建設される

建設監督委員会を率いるのは、アラブ首長国連邦のムハンマド皇太子、ソフトバンクの創業者兼CEOの孫正義氏、元英首相で現在はトニー・ブレア地球変動研究所を運営するトニー・ブレア氏など。

遷都がジャカルタと、そこに住み続ける人々にどのような影響を与えるかについては明らかではない。定住人口は確かに減るだろうが、具体的な数字は誰もわからない。

***4月***

4月14日 オランダ・アルメーレで「フロリアード2022」が開幕

1960年からオランダではじまった「フロリアード」は、10年に1度オランダで開催される、世界で最も歴史と伝統のある国際園芸博覧会だ。今年は40カ国が参加し、日本も「里山の農家の庭」を出展している。フロリアード2022の主要テーマは「成長する緑の都市」。

フロリアード2022

60ヘクタールの会場に参加国がそれぞれのガーデンや建物や園芸空間を展示している。また、空から会場を望めることができる全長850メートルのケーブルカーが設営されている。10月9日の会期終了後、この会場は住宅地に生まれ変わるらしい。展示された住宅も含め、600戸以上の住宅が集まる予定だ。

アルメーレは埋立地で、この土地を埋め立てる時に多種の樹木が植えられた。その後40年間、これらの木々は妨げられることなく成長を続け、原生林となり、それが本博覧会の一部となっている。

4月17日 ウクライナからの避難民学生受け入れを支援する福岡の大学

ハブリチームの住んでいる福岡市からほど遠くない太宰市に所在する日本経済大学は、戦禍が拡大するウクライナから逃れてきた60人以上の男女学生を受け入れた。彼らは日本語と日本文化を学ぶ。先週行われた入学式では、同大の吹奏楽部がウクライナ国歌「ウクライナは滅びず」を演奏。

日本では今のところ、約500人のウクライナ避難民を受け入れたと報じられている。日本がウクライナとは地球の反対側にあるという地理的条件や、日欧間の飛行ルートがロシアやウクライナ上空を避けているため激減していることを考えると、立派といえよう。先日、オランダに郵送した書留郵便でさえ、先方に配達されるまで2週間もかかった。


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